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前段
盲目の天智天皇をさしおいて実権を握る蘇我蝦夷は藤原鎌足を排除しようとする。太宰少弐の後室定高は雛鳥に婿取りしたいと願う。鎌足は蝦夷の因縁を避けるためにしばらく蟄居する。大判事清澄の息子は久我之助は春日野で出会った雛鳥に恋をする。蝦夷は久我之助に様々な罠をかけるのだが切り抜けていく。入鹿が息子蝦夷を諌めるが逆に図に乗り宮中のムラクモの剣を手に入れ「我こそ万乗の主なり」と宣言する鎌足の息子淡海は天皇の身を案じ隠す。
「吉野川」
吉野川に隔てられ２人、久我之助と雛鳥。領地のことで仲が悪い両家で、雛鳥は自殺しようとする。
久我之助は蘇我打倒計画に加わったことで出頭命令が、雛鳥は入鹿の妻にしろと無理難題がでていた。そこに久我之助の父”大判事”と雛鳥の母”定高”がやってくる。
蘇我に逆らえない立場に、久我之助は切腹を決意し、雛鳥も死ぬ。 久我之助の生きているうちに雛鳥を輿入れさせようと申しあわせ、雛飾りと雛鳥の首が川を渡る。そして大判事は息子の首を落とした。
「道行恋苧環」
蘇我入鹿の妹橘姫のあとを藤原鎌足の息子、淡海が求女名でという若い男が追っていく。
敵同士と気付かずに恋に落ちてしまった。 そこに求女に恋する杉酒屋の娘お三輪が割って入る。
求女は橘姫の振袖に赤い糸をつけ、求女の裾に白い糸をつけて、お三輪は追いかけるが白い糸は途中で切れてしまう。
「三笠山御殿」
蘇我入鹿の宮殿に藤原鎌足の使者として来た漁師で鱶七を、入鹿は人質に。
橘姫の赤い糸をひっぱると求女が現れる。 求女は、三種の神器の宝剣を奪い返したら夫婦になろうという。今度はお三輪が求女を探して奥へはいった時、鱶七がお三輪を刺す。鱶七は追手に囲まれるが立ち向かう。
後段
橘姫は宝剣を奪うことができなかったが笛の音と共に宝剣は龍の形になり鎌足の下にやってくる。入鹿は宝剣で首を落とされ橘姫は淡海の妻となる。
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