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「花見」
桜満開の新清水の境内に婚約者の清水冠者（木曾）義高を失って剃髪を望む頼朝の娘大姫とお家横領の陰謀を企む岩藤、町人の出で忠義者の美人尾上、大姫付きの庵崎求女に焦れる腰元左枝がやってくる。左枝が岩藤に意地悪されてすずりを割ってしまい、そこをかばった尾上が岩藤の怒りを買う。大姫がもともと尾上を頼るのが気に入らない岩藤は医者遊庵に毒薬を作らせ遊庵を殺す。
「竹刀打」
宮中で大姫の御前で武芸の楽しみがない尾上に、岩藤は武芸のたしなみがあって当然と責めるが、尾上の召使お初が代わりをし、岩藤方を全て負かしてしまう。お初が岩藤を負かすが好きに岩藤がお初を打ち据える。
「草履打」
大姫剃髪の為に岩藤方の剣沢弾正が尾上が持っているはずの名木を受取る。しかし岩藤の草履がはいっているだけだった。岩藤は尾上が自分に罪をなすりつけるのかと草履で尾上を打ち据える。髪も乱れた尾上は死を決意する。
「長局」
お初は尾上が自殺しないかと不安になり「忠臣蔵」の塩治判官（浅野匠頭のこと）の短慮を例に注進する。尾上はお初に両親への書置を持たせて仏間に入る。お初は胸騒ぎがして戻るが自殺してしまった後であった。岩藤の陰謀をしたためて死んだ尾上のところに岩藤がやってきて大姫から預かった阿弥陀仏を奪っていく。お初が岩藤に仏像を返せとやってきて岩藤を殺す。尾上の遺書により岩藤の悪事も露見し、お初は二代目尾上になって出世する。
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