題 目
仮名手本忠臣蔵
作 者

竹田出雲、三好松洛、並木千柳

筋 書

「鶴ケ岡社頭兜改めの場」
足利尊氏が征夷大将軍の称号を受けた記念としてつくった鶴ケ岡八幡宮の落成祝い。 尊氏の弟の直義公の接待役として塩谷判官と桃井若狭之助が当たることになり、 多くの兜の中から敵将新田義貞の兜を探しだし、奉納することになった。 鎌倉の鶴岡八幡宮で将軍(徳川将軍綱吉)足利直義が新田義貞の兜を塩谷判官(浅野匠頭)の妻・顔世御前に鑑定させようとする。高師直(吉良)は顔世御前に横恋慕しているが、顔世御前はそっけない。虫の居所の悪くなった師直は腹いせにそばにいる桃井若狭之助に意地悪くあたる。
「桃井若狭之助の館」
侮辱に堪えかねて師直を討つ決意を示す桃井若狭之助だが、 家老の加古川本蔵表面は主人に同意して“見事本懐を”と松の枝を打ち落として見せるものの、お家第一と考える本蔵は主人に内緒で師直に賄賂を贈り、彼に謝ってもらうしかないと考える。 由良之助の息子の力弥(大石力)は本蔵の娘の小浪と幼い恋模様を 見せる。
「足利館門前進物の場」
若狭助に本蔵が依頼しておいた師直は平謝りする。しかし若造に頭を下げさせられた師直のうっぷんばらしに塩谷判官に罵詈雑言を浴びせ「鮒侍」とさげすむ。
「足利館松の間刃傷の場」
師直にいじめられ罵倒もされ塩谷判官が師直に斬りかかる。しかし刃傷は加古川本蔵が判官を抱きとめたためにとどめを刺すことができず、師直の額に傷をつけるだけで終わってしまう。師直は沙汰無し、判官は切腹という裁定になる。
「扇ケ谷塩冶判官切腹の場」
別名「通さん場」で厳粛な場面なので、その雰囲気を壊さないようにと客の入退場を昔から規制している。 殿中での刃傷をはたらいた判官は即刻切腹を命じられ領地は没収、判官は切腹という重い仕置きとなった。家老・大星由良之助(大石内蔵助)は鎌倉になかなか到着しない。 刀を腹に突き刺したところに、やっと大星は判官に会うことができ 「無念」「委細は承知」と主従は見つめあう。桜が散る夜にのちのこと思い残すことを託す。判官殿切腹の際には、 襖の陰で他の多くの家来達も平伏してる。
「扇ケ谷表門城明渡しの場」
切腹を見届けた上使が帰ったあと、館に残った重臣たちは今後の対応策を協議する。 城を枕に討死するという一同に「恨むべきはただ一人」と諭す由良之助。 亡君の形見の刀を握りしめ、決意も新たに館を去って行くのだった。 大勢の篭城を決めようとする家臣を前に、説得し幕府方に城を明渡す。由良之助の思いを派手な動作やセリフなしで一人舞台とも言える。最後扉を閉じるところが見もの。
浄瑠璃「道行旅路の花聟 」
塩谷判官が刃傷に及んだ日、早野勘平は主人の供をして登城していながら、 恋仲のお軽と逢い、職務を怠っていたため判官の大事に駆けつけられなかった。切腹してお詫びをと思ったが、恋人・お軽の実家である山崎の里へ二人で向かう道のりを踊りで見せる。
「山崎街道鉄砲渡しの場 」
勘平はお軽の実家に身をよせ狩人暮らしをしている。いつか主君の仇を討ちたいと軍資金を作ることを思案していた。雨の夜猟に出て昔の塩谷家千崎弥五郎と行きあう。 敵討のための経費調達をしていると打ち明けられ仇討計画が進行していることを知る。お軽の父与市兵衛は、勘平のために軍資金を作ろうとお軽を売って大金を懐に帰ってきた。そこで、浪人斧定九郎が与市兵衛を刺し殺す。イノシシを追った勘平が暗闇の中鉄砲でしとめた獲物をさぐると人(斧定九郎)五十両があった。良心がとがめながらも、血に染まった財布を持ち逃げする。
「勘平腹切りの場」
五十両を手に帰宅したが、妻は売られ、義父の死体はかつぎこまれ、義母には親殺しと責立てられる。塩谷浪人千崎弥五郎と不破数右衛門が大星は亡君に不義不忠のあった者の金だからと返しにきたと言う。勘平は切腹してお詫びを・・とするが致命傷は刀傷だったことが判明。勘平の無実が示される。
「祇園一力茶屋の場」
通称「茶屋場」。 売られたお軽が遊女として働いている店で由良之助はお茶屋遊びにふけっている。塩谷浪士の赤垣源蔵、富森助右衛門、矢間重太郎は、 祇園の一力茶屋で遊び呆けている由良之助をたずね、本心を確かめようとする。しかしのれんに腕押しといった感じで酒に酔い仲居たちと戯れているのを見る。 三人は刀に手をかけるが寺岡平右衛門はとめる。由良之助は酔いつぶれたのか眠ってしまった。 皆が去った後、息子の力弥が忍んで来て、顔世からの書状を届ける。今度は家老で実は裏切り者の斧九太夫が床下に忍んで様子を見ることにする。 文を読む由良之助の内容を二階にいたおかるが 鏡をつかって盗み読みをしようとした。 おかるのかんざしが落ち、人目があったことに気づいた由良之助が読み終わった部分の書状を巻くと、 なんと先端が切れていた。 由良之助はお軽に三日囲ったら好きにしていいと言われ、恋しい夫に会えると大喜びする。 そこへ、お軽の兄平右衛門がきて 妹の首をだすので仲間に入れてくれという。夫の勘平が死んだことを 聞かされたお軽は死ぬ気でいたが、由良之助は平右衛門に仲間入りを許し、刀を握ったお軽の手をとり縁の下に刀を突き刺し九太夫を刺す。
「道行旅路の嫁入」
加古川本蔵の妻・戸無瀬と由良之助の息子・大星力弥の許婚者でもある娘の小浪は連れ立って、力弥がいる山科へと向かう。力弥のもとに、恋しさのあまり おしかけ嫁に行こうとする娘と心配して付添う義母の道行。
「山科閑居」
塩谷判官がとどめを刺すことができなかったのは本蔵のせいだという見方もあるので、大星家側は世間の手前二人の結婚を認めるわけにはいかない。 小浪の母は祝言を迫るが、力弥は死ぬ運命にある身。戸無瀬は刀を抜いて死ぬ覚悟、大星の妻は力弥との祝言を許すから、そのかわり本蔵の首を差しだせと言う。 本蔵があらわれ力弥が飛びだして、槍で本蔵の脇腹を刺す。婿の力弥の手にかかって死ぬのは本望だろうと見破った由良之助に、 本心を打ち明ける本蔵。由良之助も、死を覚悟の心中を雪で作った五輪塔がふたつで見せる。両家の思いが溶け、本蔵は、引き出物の代わりに師直邸の絵図を由良之助に渡す。 由良之助は本蔵が着てきた虚無僧姿になって 出立し、見送りながら本蔵は死ぬ。
「天川屋」
討入りの支度を仰せつかった天河屋義平は、奉公人に暇を出し、妻に去り状を書く。 由良之助は、天川屋の心を思い、「天(あま)」「川(かわ)」が、討入りの時に同士討ちしないための、合言葉になる。
「高家表門打入りの場 」
高家の表門。由良之助が陣太鼓を討ち、討入りをする。外伝では「松浦の太鼓」で討ち入りを知った隣の家々では武士の情けと見て見ぬふりをする。
「高家奥庭泉水の場」
奥庭で高家の家臣と応戦。裲襠(うちかけ)を頭からかぶって逃げる女がいるので、 あやしいと思い引き止めると、それは高家の剣豪で激しい立ち回りとなるが、 織部弥兵衛と安兵衛の親子が見事にこれをしとめる。剣道場で仲間だったもの同士が敵対していたり・・・そこここにドラマがある。
「高家炭部屋本懐の場」
必至で探すものの師直が見つからずじりじりしていた。炭部屋で物音がし潜んでいた師直を発見。由良之助は判官形見の刀を師直に渡し、自害をすすめるが、 往生際の悪い師直はその刀で刃向かう。由良之助は師直を刺し殺し本懐を遂げる。
「両国橋引揚の場」
塩谷判官の位牌の前に師直の首を置いて、ようやく本懐を遂げたことろ報告をすることができた。その後節度を保って引きあげるとき、両国橋にさしかかりまるが、守護職たちは 「武士はかくこそありたきもの」と一同をたたえた。

見 処

ともかく・・・長い・・・通し狂言の場合は昼の部と夜の部両方になります。2002年12月は赤穂浪士討ち入り300年にあたり各地で四十七士にまつわる様々な催しものが予定されています。通し狂言の場合、幕が開く前に「口上人形」と呼ばれる人形が登場して配役を述べます。幕が開くと舞台上の俳優は全員最敬礼で止まっています。ひとりずつ動きだし、人形に魂が入っていくようなかんじで忠臣蔵が浄瑠璃だったことの名残らしく、昼の部は遅刻できません。
見どころ・・・長いのでありすぎって言う感じですが特にという見どころはやはり松の廊下、切腹の場、討ち入りの夜でしょうか??(^o^)他にもお軽、勘平の道行や、討ち入り前夜に大石が遥泉院こと顔世御前に会うところもよいです。

 

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