題 目
恋湊博多諷  (毛剃)
作 者

不明

筋 書


京の商人小物屋惣七は下関の商売の帰りに馴染みの船頭のつてで知らずに毛剃九右衛門の率いる海賊船に乗り合わせる。退屈しのぎに呼ばれた惣七は毛剃達の話題に加わった。毛剃は薩摩者との喧嘩話、惣七は博多小女郎との色恋沙汰を話した。しかし毛剃は話の途中で怒り出し、惣七は途中で座を立つ。偶然密輸現場を見てしまった惣七は毛剃に海に放り出されるが、小舟に逃れこの報いは必ず返すと命からがら舟を漕いだ。命の助かった惣七は小女郎を訪ね1年ぶりに再会できたことを喜ぶ。小女郎に一部始終を話し、荷物を失い小女郎を身請けできないことに涙をこぼす。偶然毛剃は隣座敷に居合わせ、いい気になって何人もの女郎を身請けする。声に気付いた小女郎は障子の隙間から覗くと毛剃りであるのに気付き、惣七を海に投げ込んだ張本人としらず金を借りにはいっていく。毛剃は思いをかける小女郎から無心されるので喜ぶが一緒にいたのが惣七であったので驚き、逆に運の強さに仲間にならないかと言い出す。小女郎は毛剃の仲間になって自分を身請けして欲しい、でなければ死ぬと言い出す。捕手がやってくるが無事何事もなく毛剃たちは引き上げていく。

夫婦になった惣七と小女郎は京心清町に住んでいる。惣七が博多の女郎を請けだしたというので父惣左衛門が山科からやってくる。尋常じゃない金遣いの様子に驚き惣左衛門は留守中に家財一切を売り払ってしまう。惣七と小女郎は住まいが空家になってしまっているのに驚き、自分の運もここまでかと思うが父がやったことだとわかり、父に海賊の仲間になったことを知られてしまったならと逃げる準備をする。そこに毛剃がやってきて海賊仲間の割符を返してくれとやってくる。ひとり儲けをして仲間を抜ける気かと刀を抜いて争いはじめる。惣左衛門はその様子を見て壁を打ち壊し、割符を差し出す。毛剃りは割符をとり去っていく。父は罪人になった息子には会えないと壁越しに名残を惜しみ金を与え自分の子供でありたいならまっとうな生き方をしろと諭し旅立たせる。

尾張へ向かった夫婦は四日市までやってくる。惣七は籠を乗り換えるときに獲り手につかまり駕籠の中で自害する。縄にかかって戻ってきた小女郎は嘆き哀しむが惣七は懺悔していき絶える。海賊一味も捕らえられるが天皇即位の慶事で死罪は許され、小女郎は無罪となり父惣左衛門の孝行を命じられる。

見 処

毛剃と惣七のやりとりが仲間入りをすすめるまでの変化が面白い。

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送