題 目
寿曽我対面
作 者

不明

筋 書

正月の鎌倉、源頼朝家臣工藤左衛門尉祐経の館に諸大名が年賀の為に集まっている。工藤祐経は今年頼朝の将軍筆頭の一臈職になった。家来の近江小藤太と八幡三郎が揚げ障子をあげると座敷に祐経が豪華に座っている。諸侯の勧めで高座に移り一礼する。小林朝比奈が工藤に2人の若者を紹介する。一人は白面の美青年、曽我十郎祐成と荒っぽい曽我五郎時致の兄弟である。ふたりの父親河津三郎祐泰は従兄の工藤に暗殺されていた。河津の妻満江は子供を連れて曽我太郎祐信に再婚したため曽我と名乗っているのである。工藤は2人に父親の面影を発見し、2人は工藤に敵と名乗ることを迫る。しかし工藤は真犯人は自分ではないという。工藤はふたりに盃を与える。五郎はあまりに口惜しさに盃を割る。工藤は2人を見ていて討たれてやる気になってくる。しかし役目が終了しなければ私的な仇討ちに応じられないし、曽我家も秘宝を紛失しているのでその状況下で私闘に及べば養父に咎が及んでしまう。そこに曽我兄弟の捜し求めていた秘宝の友切丸を曽我の忠臣鬼王新左衛門が苦労して手に入れてやってくる。工藤は刀を確認してお年玉として狩場に入る切手を兄弟に与える。この通行証を与えたことは頼朝主催の狩りの最終日5月28日に討たれてやろうという意味であった。

見 処

最後のシーンに工藤が右手に友切丸を水平に持ち、左手に扇を持ち鶴を意味し、両側にいる家臣たちが工藤を頂点にした富士を意味する。このめでたい構図が美しい。

 

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