題 目
三人吉三廓初買
作 者

河竹黙阿弥

筋 書

安森源次兵衛が将軍家より鑑定依頼された名刀庚申丸を因果者師伝吉に盗まれる。伝吉は妊娠した犬を切って、刀を川に落としてしまう。妻は全身に班の痣の子供を生み妻子は川に心中してしまう。伝吉は罪滅ぼしに川に流れ着く死人を弔ってやっていて土佐衛門伝吉と呼ばれる。刀は道具商木屋文蔵から源次平衛に恨みをもつ海老名軍蔵の手に渡る。一方木屋の手代十三郎は軍蔵の代金を夜鷹のおとせと遊んだ帰りに落としてしまう。
「大川端の場」
おとせは十三郎の金を返そうと出かけるが十三郎に合えないまま帰る途中、大川端で振袖姿の可愛い娘に道を聞かれる。節分の夜であった。親切にも案内ししたおとせだが、娘はおとせの懐に大金があると知ると財布を奪い、川に突き落とした。娘は実は男で、お嬢吉三という盗人でおまけに庚申丸さえも手に笑うお嬢。 この一部始終を見ていた大小着流しの武士でお坊吉三という盗人。 金をめぐり斬合かかるが盗賊の和尚吉三が間にはいる。百両は和尚が預かることになり、 同じ名を持つ三人が出会ったのも何かの縁と互いの腕を切って血をしぼり酌み交わし、義兄弟の契りを結ぶ。
「伝吉内・御竹蔵の場」
伝吉は十三郎が身投げをしようとしてういるところを助ける。翌日おとせが十三郎の義父八百屋久兵衛がおとせとともにやってくる。なんと十三郎とおとせは双子のわが子であり、それを知らずに愛し合うようになったのは庚申丸を奪った際の犬を切った畜生道の因縁か。おまけに実は庚申丸を伝吉に奪われたために切腹した安森源次兵衛の子がお坊吉三、久兵衛の子で5歳の時にさらわれたのがお嬢吉三であることは知らない。
伝吉の倅の和尚吉三が無沙汰の詫びにと金を置いていくがこれをおとせを女房にしたいという釜屋武兵衛が拾うがお坊吉三に奪われる。追いかけた伝吉が返してくれと頼むが逆に殺されてしまう。十三郎は義父を殺した犯人の証拠とお坊の落とした吉の字菱の紋入りの刀の目貫を拾う。
「吉祥院の場」
巣鴨吉祥院が無住であることを理由に和尚吉三は住みついているが、ここにと捕手をつれた役人がお坊吉三とお嬢吉三の詮議を和尚に命じる。褒美をくれるならと請合う和尚はお坊吉三から親伝吉の罪を聞いて衝撃を受ける。お坊を須弥壇の下に隠したら、十三郎とおとせがやってきて2人の事情や伝吉が殺された事情を話し敵討ちと金の調達を頼む。十三郎のいう証拠がお坊吉三のものと気付くが裏で待つように言う。お坊吉三は自分が殺した男は和尚吉三の父であったことを知り死ぬ覚悟をする。欄間の彫物からお嬢吉三が現れ自分がうばった金はおとせからのもので、共に死のうといい遺書を書き始める。
和尚は 裏でお坊とお上の身代わりになって死んでくれこれが畜生からのがれられる道だと言い含めておとせと十三郎を殺す。
「雪の中本郷火の見櫓」
櫓の下で落ち合った三人は久兵衛に刀と金を託し、安森家と木屋の再興を頼む。お嬢は火の見櫓の太鼓を打ち鳴らし少しでも追手からの手を逃れるよう木戸を開けようとするが追手はすぐそこにきているのだった。最後に行き場のなくなった三人は刺し違えて自分達の罪を悔いながら死んでいく。

見 処

三人の吉三が出会って義兄弟の契りを結ぶ「大川端」の場は有名で見事だが、降りしきる雪の中でお嬢吉三が太鼓を打ち鳴らす様は八百屋お七のようで、三人のおしゃれな色合いの衣装が雪色に映えて見事。

 

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