題 目
新皿屋敷月雨暈  (魚屋宗五郎)
作 者

河竹黙阿弥

筋 書

一幕め
旗本磯部の家臣岩上典蔵はお家をのっとりを計画し、殿主計之介の妾お蔦に横恋慕していた。お蔦を口説くためにお蔦が預かる家宝「井戸の茶碗」を盗み出すが奥庭の弁天堂で猫の鳴き声に驚き割ってしまう。その時猫を探しにきたお蔦がやってくる。よい機会と典蔵は帯まで解くが抵抗し、お蔦は気絶してしまう。そこへ浦戸紋三郎がやってきてお蔦を助ける。しかし典蔵は腹いせに不義者の汚名をなすりつけ、茶碗を割ったこともお蔦のせいにしてしまう。酒乱の主計之介はお蔦を責め殺して井戸野中へ切り捨ててしまう。謹慎中の紋三郎が自害しようとすると、お蔦の亡霊が現れて典蔵ののっとり計画の密書を猫に渡させ、紋三郎は悪事をあばく決心をする。
二幕め 芝片門魚屋内の場

芝片門前にあるお蔦の実家、魚屋宗五郎の家では、女房のおはまや店の若い者が悲しみに沈んでいる。お悔やみに来る者皆、間違いではないか言う。 やがて、寺に妹の死を知らせに行っていた宗五郎が帰ってくる。 父親の太兵衛は納得がいかないとお屋敷へ乗り込むと息巻き、文句をいいに行こうとするが、宗五郎は殿様が見初めてくださりたってのご所望で奉公に出した。綺麗に整えていただき、支度金で 一家の借金が返せ、月々のお手当てで平穏に過ごせていることを考えるとどうにもできない。おはまは好物の酒をすすめて気を鎮めるようにというが、禁酒を誓っている宗五郎は我慢していた。そんなところへ、お蔦が可愛がっていた腰元のおなぎが酒樽を小僧に持たせて弔問にやってきた。 さっそく太兵衛は本当にお蔦が不義を犯したのかと問いただすと、おなぎは 岩上典蔵の横恋慕と悪事、弁天堂の様子や殺された様子を事細かに話した。家族のものは憤り、宗五郎もついに禁酒の誓いを破ってしまう。もともとあまりの酒癖が悪かったのに、周囲の心配をよそに樽を抱え込んで呑み干してしまう。 宗五郎は泥酔状態で酒樽を振り回して磯部の屋敷へ走って行き、おはまも後を追うのだった。
三幕め 磯部屋敷玄関の場
磯部の屋敷に暴れ込んだ宗五郎は、典蔵によって縛上げられらてしまう。追ってきたおはまが酒の上のことだから頼むが典蔵を蹴りたおし暴れる宗五郎。頭にきて手打ちにすると典蔵が刀を抜きかけたときに、家老の浦戸十左衛門が止めに入り、玄関で血を流してはいかぬし、酔った男を手打ちにしては外聞も悪いと酔いがさめるまでまてという。浦戸に胸の内を明かし嘆き、浦戸は「悪いようにはしない」からとひとまず酔いをさますようにいう。やがて宗五郎は酔いがまわって、いつしか眠り込んでしまう。
     磯部屋敷庭先の場
庭先に連れてこられて寝いっていた宗五郎は目を覚まし、おはまから一件をを聞かされどのようなお咎めがあろうかと心配している。そこへ十左衛門が出てきて今後は夫婦仲良く暮らすようにと諭した。そこへ主計之介が現れ自分の短慮を詫び、屋敷でお蔦をねんごろに弔い宗五郎親子にも悪いようにはしないと詫びてくれた。 弔問金も下さり、典蔵の成敗もなされるのであった。

見 処

宗五郎が酒を呑んで乱れに乱れていくところは見もの。単に酒乱なだけじゃなく悲しみのあまりっていうところで役者さんの表現次第で変わるものかな。

 

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