題 目
心中天網島
作 者

近松門左衛門

筋 書

北新地河庄の段
紙屋治兵衛は、女房のおさんとの間に二人の子がありながら、曽根崎新地の小春と深い仲になる。仕事もほったらかしにしていたので、兄孫右衛門はにきつく意見されて、二人は次に会った時こそ心中を・・・と決意していた。そこに恋敵の町人太兵衛は小春の身請けをもちかける。孫右衛門は小春に会いにきたが、そこへ治兵衛が覗き見しに来る。弟を店内に引き入れ兄は二人をきっぱり別れさせるために、互いに交わし続けた起請文を捨てさせる。すると小春は態度がつれない。実はおさんが恥じを忍んで「切れてくれ」頼んできたのだった。それに義理立てし、わざと治兵衛に愛想尽かしをしたのであった。うっかり、おさんからの手紙を孫右衛門に差し出してしまった小春。手紙を見た孫右衛門は、小春の覚悟を知ると、弟を引き摺るようにして連れ帰る。
天満紙屋内の段

妻おさんが店じまいをしている店内で、治兵衛は炬燵に足を入れ、眠っている。小春が太兵衛に身請けされると聞いた治兵衛は炬燵にもぐって涙を流していた。これを見ておさんは自分が送った手紙で夫と別れる決心をした小春が素直に身請けを聞き入れるとは思えず、死ぬ覚悟なのを感じ取った。おさんは自分の着物まで全部売り払い小春を身請けしてくれと夫治兵衛に懇願する。おさんに深く感謝しながら小春の元へ急ぐ治兵衛の前に舅五左衛門は 娘の着物が箪笥にないのを知り、激怒。二人の子供を残したまま、嫌がるおさんを実家へ連れ帰ってしまう。
大和屋の段
大和屋から出てくる治兵衛は小春と会い、帰る振りをして店先で小春が出てくるのを待っていた。心中する約束をしているのだった。治兵衛を探して、孫右衛門がやってくる。帰ったと聞きいた兄は不審に思いながらも他へ探しに行く。店を出て来た小春と治兵衛は闇夜に消えていく。
道行「名残の橋づくし」
死を覚悟した治兵衛と小春が薄暗い舞台に現れ悲しげに橋を渡ってくる。大長寺に向かっていく。
網島大長寺の場 
治兵衛と小春は互いに結った髪を切り落とす。小春が帯をほどいて首をつる準備を始める。小春は脇差で自分を突かせようとする。が、治兵衛の手は小春を突けない。なかなかうまくいかないうちに脇差は小春を突いてしまい息絶える。死に顔を見つめる治兵衛は来世で一緒になろうと思いながら帯を手にする。

見 処

孫右衛門に尋ねる小春の「喉を切るほうが、たんと痛い」と可愛いながらも覚悟のさまが可愛らしい。せっかくの甲斐もなく心中する2人っておさんがかわいそう過ぎないか?

 

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