題 目
隅田川続俤  (法界坊)
作 者

不明

筋 書

中納言吉田冬房は禁廷より鯉魚の一軸という掛け軸を紛失したために吉田家断絶し、息子の松若丸は浅草並木の商家永楽屋の手代要助と名を変えて家宝の行方を捜していた。許婚の千種中納言の娘野分姫は後を追って遁走し松若丸の行方を捜している。吉田家を横領し東国支配を許された郡代の代官牛島大蔵は浅草聖天町に住む破戒僧法界坊を使ってそれらを探索していた。法界坊は報奨金がほしいのもあったが、永楽屋の跡取娘お組に横恋慕していたためだった。お組は要助と恋仲になっていることが気に食わなかったので要助が松若丸だということに感づいた法界坊には美味しい話だった。浅草竜泉寺に釣鐘を建立するためにミニチュアの釣鐘を車に載せてお布施を募りながら姫を捜し歩いていた。向島の料亭大七のところでお組に執心している大阪屋源右衛門が、所持する鯉魚の一軸と引き換えにお組と縁組するため内祝言しに大七にやってきていた。永楽屋は吉田家に恩顧のある家でありどうしても手に入れたいものであった。大阪屋源右衛門は後家おらくに一軸を渡す。しかし源右衛門は永楽屋の番頭長九郎と悪巧みをし野分姫を探し出し松若共々殺してしまう腹づもりだった。

要助はおらくから一軸を取り返してもらったものの代金の百両がなければお組は源右衛門の妻になってしまう。永楽屋にはその金がないのだった。そこで長九郎が百両を貸してやるからと証文を書かせその代わりにお組を口説く。法界坊もやってきてつけ文をするがお組はその気がないから捨ててしまう。源右衛門はおらくに一軸か百両か、金もないのに一軸を只で持っていくのかと迫り、法界坊はお組と要助が間男をしていると自分が書いてお組に捨てられた文を証拠として見せる。長九郎もさっき貸した金を返せと見てみると贋金であった。そこに要助の身元引受人である道具屋の甚三が法界坊の恋文だと暴露し、長九郎に宛てた百両の書付も焼き捨てて助ける。ただ、一軸だけは要助がお組と密会している間に偽者にすりかえてしまわれていた。

計略に失敗したものの、一軸はこちらにあると法界坊は長九郎に一軸を渡し礼金50両を受け取る。そんなところに要助を探しにやってきたお組を長九郎は駆け落ちすると縛り上げ猿轡をして駕籠に押し込めて駕籠かきを呼びにいく。そこで法界坊は一軸を取り戻し、お組もちょうど通りかかったよっぱらいの葛籠に入れてしまう。そこへ縁談が壊れたと攻め立てる源右衛門は要助をあたりちらしてやってきて、一軸を破いてしまう。一軸をすりかえられたことを知らない要助は源右衛門を殺してしまい、自分も自害しようとするが甚三にまたも救われる。 源右衛門の死骸を隠そうと酔っ払いの葛籠をあけるとお組が出てきて再会し甚三に保護される。
源右衛門の殺しの嫌疑が甚三にかかったことから心中を思い立ったお組と要助は落雷で気絶してしまう。そこへ野分姫が松若丸を探しにやってくるのだが、お組を誘拐できなかった法界坊は、要助である松若丸がお組と恋仲で、野分姫が邪魔だから殺してくれと頼まれたといって野分姫を殺してしまう。野分姫は松若丸を恨んで死んでしまう。気付いたお組は法界坊に手篭めにされそうになるが甚三に助けられ要助とともに落ち延びる。法界坊は一軸をたてに挑むが、自分が掘った落とし穴に落ちて死んでしまう。後を追う甚三を亡霊となった法界坊がすごい形相で引き戻す。

満開の桜の隅田川に要助なる松若丸とお組がやってくる。甚三の妹お賎を頼ってやってきたところだった。お賎は野分姫の亡霊を静めるために姫の形見の袱紗を燃やすが煙が昇って3人が気絶してしまう。その間に法界坊とお組が合体した亡霊となって松若丸とお組に慕い寄る。お賎が観世音の厨子を差し向けると法界坊と野分姫の霊が恨めしげに消えていく。

見 処

やっぱり法界坊と野分姫の合体亡霊でしょうか・・・。宙乗りで松若丸やお組に向かって恨みを晴らそうとするところはかわいそうというより気色悪い〜

 

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