題 目
番町皿屋敷
作 者

岡本綺堂

筋 書

一幕目
3月半ばの花見時分に江戸麹町山王神社下の茶店で町奴の幡随院長兵衛の子分たちが茶を飲んでいると七百石取りの旗本青山播磨が通りかかる。播磨は水野十郎左衛門の率いる白柄組に属し敵対していた。常に互いの侠を競って喧嘩沙汰が絶えなかった。先日の恨みを晴らすために播磨を取り囲む子分達に播磨は喧嘩を受けて立とうとしたとき、播磨の伯母の渋川後室真弓が止めに入った。 女に割って入られては、双方とも引かざるをえない。 真弓は播磨の行動に旗本にあるまじき行為といさめ、妻をめとれば落ち着くだろうと縁談をすすめる。播磨には恋人がおり腰元のお菊だった。
二幕目
番町の青山家の座敷では水野十郎左衛門を迎えるために準備に追われている。青山家重代の皿を使うということで用人柴田十太夫は気を尖らせていた。その仕事をするのがお菊とお仙だったが、お菊は播磨に縁談話が持ち上がったのを知り気もそぞろ。播磨を信じていないわけではないが確かな確証がほしい。播磨の心を試すために一枚でも割ったら手打ちとされている家宝の皿の一枚をわざと割ってしまう。皿が割れているのを見つけた十太夫は播磨に報告するが、お菊が割ったと聞き、播磨は「たかが皿一枚のこと」と手討ちにすべきところを咎めなしで終わらせた。ところがお菊が粗相ではなくわざと皿を割った事実が、お仙が見ていたことで発覚する。播磨が事実を正すとそれを認め縁談が浮上する中自分をどう思っているのか本心を見届けるためだという。播磨の態度は一変し激怒した。「そちの疑いは晴れようとも疑われた針間の無念は晴れぬ。決してほかの妻を迎えぬとあれほど誓うたをなんときいた」とお菊を成敗しようとする。大切な道具とはいえ人の命と取り替えるにはあまりな話と奴の権次が訴えると皿が惜しいのではないと自ら皿を割っていく。お菊は播磨の自分への思いを知り覚悟を決める播磨はお菊に刃を振り下ろした。お菊の死骸は庭の井戸に捨てられた。そこへ水野十郎左衛門がこちらに向かう途中で絡まれたと連絡が来る。播磨は勘当されても仕方なし戸槍をもって足袋裸足のまま駆け出していく。

見 処

血気盛んな播磨は太平の世の中になっていく中で、生き方を模索していた。身分違いな請いこそが唯一の拠り所だったのにお菊は心を試してしまう。やっぱり男のほうが純粋と見える。

 

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