題 目
平家女護島  (俊寛)
作 者

近松門左衛門

筋 書

初段 六波羅 ・ 六条河原 ・ 六波羅
 平清盛の横暴な振る舞いに俊寛僧都平康頼丹波成経らは鹿ケ谷で平家討伐を企んだ。しかし小心者がいたために露見し、彼らは南海の孤島である鬼界ヶ島に流刑となった。
二段 鳥羽の作り道 ・  鬼界ヶ島(俊寛)
 清盛の娘で高倉天皇の中宮徳子が懐妊し,お産の苦しみを和らげるために恨みを買いやすい流罪者の赦免が行われた。清盛は俊寛だけは許せないとしていたが清盛の子重盛や教経らの配慮によって赦免されることになった。すでに流罪となってから三年の歳月が流れていた。俊寛の髪は伸びきっており、着物もずたぼろで、その日その日を海草を拾って暮らしていた。俊寛の庵ともいえない掘っ立て小屋に成経と康頼が俊寛をたずねてくる。成経が島に住む海女の千鳥と婚礼をあげたいと言う。俊寛はこの上ない喜びと祝言の舞を舞って親代わりを勤め、3人は親子の契りを結ぶ。やがて沖に船が見えてくる。赦免船ではないかと期待いっぱいになってくる。都から赦免状を持った丹左衛門尉基康瀬尾太郎兼家がやってきて、瀬尾が康頼と成経の斜面を告げるが俊寛の名前がない。がっかりして泣き崩れる俊寛だったが丹が俊寛の赦免状を別に持っており、九州まで同行できることを告げみな揃って島を出られると喜びあう。 それではと妻の千鳥ともども船に乗り込もうとすると、瀬尾が千鳥を押しとどめる。 夫婦なのだから許してくれと頼んでも、聞き入れない上に、 俊寛の妻東屋女房は清盛に迫られ自害したと意地悪くいう。 妻のいない都では帰る意味なしとと思った俊寛は、自分の代わりに千鳥をと嘆願するが、瀬尾は受け入れず千鳥は自害しようとする。あまりの無慈悲に瀬尾に斬りつけとどめを刺し、再び罪人となったを犯した自分は島に残るから、その代わりに千鳥をと船に乗せてやってくれと頼み込んだ。千鳥も乗せ船は島を離れていく。ひとり島に残ることにきめたのだが名残惜しく、船が遠ざかっていくのを見ると望郷の念にさいなまれる。岩場に登りいつまでもいつまでも見送り、船が消えるとただむなしく下りていく。

三段 小松谷重盛邸 ・ 朱雀門御所浦の小門 ・朱雀御所奥座敷
 朱雀御所における源氏と平家の対立は激しくなっていく・・・・・
四段 備後浦名の浦 ・ 六波羅 ・文覚の夢

見 処

孤島に残ることを決意した俊寛が、船が出る段になって綱にすがりつき波に身を濡らし、岩に登って遠ざかる船を見送る姿は哀れそのもの。丹も瀬尾がいないんだし九州で降ろすことになっているのなら乗せてやればいいのに。 波打ち際の場面から岩の場面へ回り舞台になっていくところも雰囲気が出ていてよいでしょう。

 

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