題 目
与話情浮名横櫛  (切られ与三)
作 者

瀬川如皐

筋 書

赤間別荘
鎌倉元山町(江戸横山町)の小間物商伊豆屋若旦那与三郎は父の与左衛門が30を過ぎても子供ができないために貰われてきた養子であった。その後生まれた実子の弟与五郎に家督を譲るため放蕩三昧をしており、木更津の親戚藍玉屋善右衛門に預けられる。潮干狩りの帰りに江戸前のきれいな女と会う。女は元深川芸者の富吉で今は木更津の顔役赤間源左衛門の妾のお富だった。互いにひかれあったふたりは密会するも子分の松五郎の密告で切り刻まれた上に簾巻きにされて100両で藍玉屋へ売られる。お富は海に飛び込んで逃れ、鎌倉和泉屋多左衛門の商船に拾われる。
源氏店
その後3年経って和泉屋大番頭多左衛門の囲い者になったお富は雪ノ下源氏店に暮らしている。小金をせびりにくるコウモリ安と呼ばれる男と若い男が現れる。若い男は与三郎で、親には勘当されゆすりをする身となっていた。総身34箇所の傷を見せて誰のせいでこうなったといいお富を責める。多左衛門がやってきて金をやって帰すが多左衛門はお富の実の兄で与三郎といずれは沿わせてやろうと思っていた。
伊豆屋
その後悪事を重ねた与三郎は島流しにあっていたが島を破って元山町へ両親の様子を見に帰ってきた。そこへ通りかかった火の番忠助は番小屋に案内して一別以来の話をする。今日は与三郎が島流しになって1年になるので両親は役人から見つかったら差し出せとお触れがあったという。名乗り出ようとするが忠助は裸馬で引き回され高い木の上にあげられて槍で突かれるよりも遠くに逃げてくれと頼み、風呂敷に着物一切を用意してくれる。それを父が見送っている。
品川観音
江戸を離れようと品川まできたときに誰かに後をつけられていると思いはずみで手ぬぐいを落とした。そこで手ぬぐいやにはいるとお富と流刑先で知り合った久次が夫婦になって営んでいた。お富は与三郎がこの世にいないものと思い、深川時代から知っていた久次と一緒になって品川観音前で堅気の暮らしをしていた。面目なく思う2人を前に与三郎は二人を祝し自首しようとするが、久次は一泊していけと引き止める。久次が用足しに出かけている間にいろいろな話を聞くと、自分を流罪にしたのは赤間源左衛門であったこと自分の実家穂積家は赤間のせいで断絶したことを知る。まどろむ与三郎を刺せと久次はお富に出刃包丁を渡すがお富は久次を刺す。久次は与三郎に自分こそ穂積家の家来で与三郎の素性を知りなんとかしたいと思ったこと、辰の年月日がそろった自分の血を飲めば全身の傷はなおるといって本心を明かして事切れる。与三郎は久次のおかげで穂積家再興に燃える。

見 処

鷹揚な若旦那ぶりがいつまでも続いているけれど、島抜けしてて穂積家再興ってできるんだろうか??

 

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